はい、というわけで「ラッダイトだけはご容赦を」の着手直後の原稿を見せてもらって一目ぼれし、校正と工学系の技術考証、あとAI(LLM)まわりのサポートを担当してました。
技術考証は物語の流れを損なわない範囲でやったので、甘い部分はだいたい意図的なやつです。
ハードSFじゃないんだから、読了感…のどこし的なやつのほうが優先でしょう。
なのでここでは、創作×AIの技術サポートで一番悩んだ点を書いてみようと思います。
LLMの創作活動サポートについては、とにかく一にも二にも入力トークン長が足りない。
実効トークン長というか、カタログスペックとは別にある、実用的な範囲の入力長がとにかく短い。
だいたいカタログスペックの1割が関の山で、それ以上は「アンタ読んでないやろ!」って感じで、回答がものすごい勢いで劣化していきます。
しかも、reasoning(thinking)を仕掛けると劣化速度がさらに速まります。
人間の有利な点ってこのへん、つまり低コストで記憶を含む大きなコンテキスト長を処理できる、あるいはいい感じでナナメ読みできるってことじゃないかなあと。
おそらく何か別のブレークスルーがないと、ずっとLLMの構造的制約としてついて回り、今のAgents(Lv3)の入口あたりから、
Innovators(Lv4)やOrganizations(Lv5)、あるいは「自律的に動く人のような子」まで飛躍するための最大の壁になると思います。
究極的にはでかくて速いメモリと超高速GPU/NPUで殴りつける脳筋ソリューションしかないのかなあ…
スノードロップ嬢のようなふるまいをするAIキャラクターは、ぱっと見そうふるまう程度ならいうほど苦労せずに創れるんじゃないかと思うんですが、たとえば作中の様子にたとえるなら、コロニー全体を広い視野で見渡すようなことが、今の技術の単純な延長線上ではどうにも無理なわけです。つらい。
互いに話の意図を汲んで、真の意味で「知能」を感じる、知的で楽しい会話ができるようになるのは、まだそれなりに先の話かもしれませんね。
まあ素人の思いつきと感覚でこんなウダウダ言ってるってことは、きっと専門家はすでにお見通しで、これを解決する次の技術革新を今仕込んでるところ、とかじゃないかと思うんですけどね。そう思いたい。
ちなみに、今回執筆のサポートで私が一番使いまくったのは、GeminiでもClaudeでもなく、OpenAI o3でもo4-miniでもなく、意外なことにAPI版のGPT-4.1でした。
おそらく皆さんの感覚に反していて「ほんとか?」って思うでしょうけど、長文の読解能力と要点の理解が一番強くて、Web版のようにデフォルトのシステムプロンプトに無駄に入力トークンを食われることもなく、いい感じで感想や意見を出してくれました。
この謎の独自意見?の補強として、ネタを2つ用意しておきましたので、本編を読んだ上でご笑覧くださいませ。
ま、あんまり長々と書いてもアレなので、今回はこのへんで。駄文ではありますが、なにかAI活用の参考になったなら幸いです。
Let there be light, for all "intelligences" of this world.